イラスト図解
ノートに絵が描けないのは、絵が下手だからではありません
イラスト入りのノートを見て「いいな」と思う。でも自分には無理だと思って、そっとページを閉じる。絵が苦手だから、練習する時間もないから、と。
ここでひとつ、聞かせてください。あなたがイラストを描けないのは、本当に「描き方が分からない」からでしょうか。
これまで2,000人以上の方にノートの書き方をお伝えしてきましたが、描けない方のほとんどは、そこでつまずいていません。つまずいているのは、もっと手前です。
描けない理由は「何を描けばいいか分からない」
実際にノートを見せていただくと、こういう状態の方がとても多いです。
- 絵を描くスペースは空けてある
- でも、そこに何を描けばいいのか思いつかない
- 考えているうちに話が進んでしまう
- 結局、文字で埋めてしまう
これは画力の問題ではなく、選ぶ力の問題です。目の前の話のうち、どれを絵にすればいいのかが決まらない。だから手が止まります。
この状態でイラストの練習をしても、ノートは変わりません。上手な猫が描けるようになっても、会議の内容は猫では描けないからです。
じつは、思っているのと逆です
多くの方が、こう考えています。
「絵が描けない。だから文字だらけのノートになる」
でも、実際は逆です。
ポイント以外のことまで書いているから、絵を描く余裕がない。
絵が描けないせいで文字が増えたのではありません。文字が多すぎるせいで、絵を描く場所も、考える時間も、なくなっているのです。
順番が逆だと分かると、やることも変わります。練習する前に、減らす。ここから始まります。
矢印だらけのノートになっていませんか
「何かしら図にしよう」と思ったとき、多くの方がまず矢印を使いはじめます。手軽ですし、たしかに便利です。
ところが、しばらくすると行き詰まります。ページが矢印でいっぱいになるからです。
理由はシンプルで、矢印は「つながり」しか表せないからです。話の中でつながりのある部分はいくらでもあるので、拾いはじめるときりがありません。そして矢印が20本並んだページは、文字がびっしり並んだページと同じことになります。
全部が強調されているページは、何も強調されていないのと同じです。図にしたのに、どこが大事か分からない。ここで多くの方が「やっぱり自分には向いていない」と感じてしまいます。
でも、向いていないのではありません。順番が抜けているのです。
描くものが決まらない、本当の理由
矢印が増えてしまうのも、何を描けばいいか分からないのも、原因はひとつです。
そもそも書いている量が多すぎる。
ページの全部が大事な状態では、どれを絵にすべきかは決まりません。10個の候補があって、どれも同じくらい大事に見えるなら、選べなくて当然です。
逆に、書く内容が3つに絞られていたらどうでしょう。「この3つ目は、言葉で説明するより形にしたほうが早いな」と、自然に浮かんできます。
順番はこうです。
- ❌ 絵を描こうとする → 何を描くか決まらない → 矢印でごまかす
- ⭕️ 書く量を絞る → 残ったものが少ない → 絵にすべきものが見える
実際に受講された方も、この順番で変わっていきました。
文字がぎっしりのノートでしたが、要点だけになったら余白が生まれて、絵を描く余裕までできました。今では「どうやったらそんなに描けるの?」と驚かれます。自分でもびっくりしています。
絵の練習をした結果ではありません。先に書く量が減って、余白ができたこと。絵はそのあとから、自然に増えていきました。
道具で解決できる部分もあります
「選ぶ力」の話をしましたが、道具を変えるだけでらくになる部分もあります。ここは今日から変えられます。
方眼のノートを使う
小学生のころ、漢字の練習帳には1マスの中に縦・横の線が入っていました。初めて書く漢字も、あの線があると書きやすかったはずです。
ノートの方眼も同じ働きをします。マス目を目安にすれば、まっすぐな線も、四角も、簡単な図も、フリーハンドで整って書けます。絵が苦手な方ほど、方眼の効果を実感されます。下敷きのようにガイドしてくれるからです。
サインペンなど、太めのペンを使う
細いボールペンは、小さな字をぎゅうぎゅうに詰めて書けてしまいます。書けてしまうから、書いてしまう。
ペン先が太いと、そもそも細かく書けません。大きく、単純にしか描けない。これが、絵を描くときにはかえって助けになります。細部を気にしなくてよくなるからです。
ついでに、書ける文字数も自然に減ります。書く量を絞る話とも、ここでつながります。
上手い人より、要点をつかめる人
ここまで読んで、こう思われたかもしれません。「やっぱり絵が上手い人のノートがいちばん良いのでは」と。
実は、そうでもありません。絵が上手な方のノートは見た目こそきれいですが、描き込みに時間がかかるぶん、話を聴きそびれることがあります。清書に時間を取られることもあります。
あとから見返して役に立つノートを書けるのは、絵が上手い人ではなく、「今の話で大事なのはここだ」と分かる人です。要点さえつかめていれば、それを表すのは丸と線で足ります。
イラストが入ると、何が変わるか
- ひと目で内容が分かる。探す時間がなくなります
- 見返す気になる。文字だけのページは、開くのが億劫になりがちです
- 記憶に残りやすい。描いたときの手の動きごと思い出せます
今日から試せること
絵の練習ではなく、こちらを試してみてください。
次のページは、方眼ノートに、太めのペンで、3つだけ書く。
3つに絞ると、ページに余白が残ります。その余白を見ているうちに、「ここは絵にしたほうが早いな」と思う場所が出てきます。そのときに描けば大丈夫です。
浮かばなければ、その日は描かなくてかまいません。絵を入れることが目的ではなく、あとから思い出せることが目的だからです。
選ぶところから、一緒にやってみませんか
何を残して何を捨てるか。どれを絵にするか。この判断は、説明を聞くだけではなかなか身につきません。実際に手を動かして、その場で見てもらうのがいちばん早いところです。
わたしが開いている無料のノート体験会では、参加された方のほとんどが「絵は苦手です」とおっしゃるところから始まっています。そこから、その日のうちにご自分のノートが変わるのを体験していただいています。
毎日3回(朝9時・13時・20時)オンラインで開いていて、所要時間は約70分です。ノートとペンだけご用意いただければ大丈夫です。体験会の日程はこちらからご覧ください。
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