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色分け文房具

カラフルに色分けしても頭に残らない、本当の理由

2026年8月8日 益本奈緒子

3色ボールペンを買った。マーカーも揃えた。大事なところは赤、補足は青、気になったところは黄色。そうやって色分けしたノートを、あとから開いてみる。

——それでも、どこが大事なのか分からない。

心当たりがあるなら、ペンを買い足す必要はありません。問題は色ではなく、その手前にあります。

色を増やすほど、大事なところは消えていく

色分けは、本来「ここが特別ですよ」と目印をつける作業です。だから、色がついている場所が少ないほど目立ちます。

ところが、書きながら「これも大事」「これも大事」と色をつけていくと、ページの大半が色で埋まります。すると、どうなるか。

全部が大事になった結果、どこも大事に見えなくなります。

赤が10か所あるページで、いちばん大事な赤はどれでしょうか。分かりません。目印が多すぎて、目印として機能しなくなっているからです。

本当の原因は、書く量の多さ

ここが本題です。色がうまく効かないのは、そもそも書いている量が多すぎるからです。

書く量が多い → 大事そうな箇所も比例して増える → 色をつける場所が増える → 色が効かなくなる。この順番で起きています。

だから、色の使い方を工夫しても解決しません。ペンの色を減らしても、書く量が同じなら、今度は「全部が赤」になるだけです。

手をつけるのは、書く量そのものです。

書く前に、ひとつだけ問いかける

やり方はシンプルです。ペンを動かす前に、自分にこう聞いてみてください。

「これ、刺さった?」

意味が分かった、というだけでは書きません。知らなかった、勘違いしていた、明日から変えたい。そういう手ごたえがあったときだけ書きます。

この問いかけを挟むだけで、書く量は驚くほど減ります。そして減った量は、そのまま「自分にとって本当に必要なこと」だけが残った状態です。

ここまでくると、色が効きはじめます。もともと数が少ないので、1か所に色をつけるだけで、ちゃんと目立つからです。

「量を絞る」が先、「カラフル」はその後

順番を間違えないでください。

この順番を守るだけで、ノートは変わります。逆にしてしまうと、ペンだけが増えていきます。

色は、多くても3色まで

量を絞ったうえで色を使うなら、決めておくと迷いません。

とくに2色目が効きます。あとから読み返したとき、いちばん役に立つのは講師の言葉ではなく、そのとき自分が何を思ったかだからです。

色を決めておくと、書きながら「何色にしよう」と迷う時間もなくなります。この迷いも、話を聞き逃す原因のひとつです。

きれいなノートと、使えるノートは違う

カラフルなノートは、書き終えたときの満足感があります。がんばった気持ちにもなります。

でも、ノートの目的は書き終えることではなく、あとから開いて思い出せることです。この2つは、ときどき正反対の方向を向きます。

色をたくさん使ってきれいに仕上げたページと、余白が多くて数か所だけに印がついたページ。3か月後に開いて役に立つのは、後者のほうです。

次のページから、試せること

次にノートを開くとき、これだけ決めてみてください。

「今日は1ページに1色だけ」

1色しか使えないとなると、どこに使うかを真剣に選びます。その「選ぶ」という行為こそが、要点をつかむ練習になります。

書く量を減らす練習ができます

「量を絞る」は、コツをつかむまでが少し難しいところです。何を残して何を捨てるかの判断は、実際にやってみて、その場で教わるのがいちばん早く身につきます。

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