きく力話し方
ノートだけ直しても変わらない。「きく・話す・ノート」はつながっている
「その場でポイントをつかんで書きましょう」
ノート術の話をすると、必ずこう言われます。わたしもそう言います。でも、こう思いませんでしたか。
「その"ポイントをつかむ"が、できないんです」
もっともな疑問です。今日はここに答えます。結論から言うと、ノートだけを直そうとしても、うまくいきません。
「きく」「話す」「ノート」は、つながったスキル
この3つは、別々のものだと思われがちです。ノートは文房具の話、話し方はコミュニケーションの話、聞き方はまた別の話、というふうに。
でも実際には、ひとつの輪のようにつながっています。どれかひとつが上がると、他の2つも一緒に上がります。逆に、ノートだけを変えようとしても伸び悩みます。
順番に見ていきます。
「きく力」が高いと、全部書く必要がなくなる
きく力というのは、聞き取る力ではありません。メリハリをつけて聞ける力のことです。
話には濃淡があります。前置き、本題、具体例、まとめ。ずっと同じ濃度で話す人はいません。
この濃淡が分かる人は、力を入れて聞く場所と、流していい場所を切り替えられます。「ここは例え話だから流していい」「ここは結論だから集中する」と、自然に判断しています。
すると、どうなるでしょうか。
書くべき場所も自動的に決まります。全部書く必要がなくなるのです。全部書いてしまう人は、書き方が悪いのではなく、どこが濃いのか分からないまま聞いているだけです。
「話す力」が高いと、先の予測ができる
これがいちばん意外かもしれません。
自分が人に説明する経験を積むと、話し手がどう組み立てているかが見えるようになります。
説明する側になったことがあれば分かりますが、話には型があります。「まず結論を言って、理由を3つ挙げて、最後にまとめる」といった流れです。
この型を自分でも使っていると、聞いているときに先が読めます。
- 「今から理由が3つ来るな」→ 3つぶんのスペースを空けておく
- 「これは前置きだな」→ まだペンを持たない
- 「そろそろ結論だ」→ 構える
先が読めていると、慌てません。話を追いかけるのではなく、待ち構えて書けるようになります。
逆に、話す経験が少ないと、話がどこへ向かうのか分からないまま聞くことになります。分からないから、とりあえず全部書く。ここに戻ってしまいます。
3つが揃うと、報告書がスッと書ける
そして最後がノートです。
きく力で濃淡が分かり、話す力で先が読める。その状態で書けば、ノートには要点だけが、話の流れどおりに並びます。
こうなると、報告書を書く作業はほとんど残っていません。
ノートを開くと、大事なことが順番に並んでいる。あとはそれを文章にするだけです。探す時間も、組み立て直す時間も要りません。「報告書に何時間もかかる」という状態から抜け出せます。
だから、ノートだけを直そうとしても限界がある
ここが今日のいちばん大事なところです。
ノートの書き方の本を読んで、レイアウトを真似してみる。それでもうまくいかないのは、きく力と話す力が置き去りになっているからです。
逆もまた同じです。話し方だけを練習しても、頭の中が整理されていなければ、話は長くなります。
3つはつながっているので、まとめて鍛えるのがいちばん早いのです。
いちばん手をつけやすいのは、やはりノート
では、どこから始めるのがいいか。
わたしはノートからをおすすめしています。理由は、3つの中でいちばん練習しやすいからです。
- 毎日できる(研修でも会議でも読書でも)
- 相手が要らない(ひとりで練習できる)
- 残るので、あとから振り返れる
そしてノートで「選ぶ」ことに慣れてくると、不思議なことに聞き方が変わります。濃淡を意識するようになるからです。さらに、要点で書けたものは人に話しやすいので、話す機会も増えていきます。
輪はどこからでも回せますが、いちばん軽く回せるのがノートというわけです。
今日から試せること
次に人の話を聞くとき、書きはじめる前にひとつだけ意識してみてください。
「この人は今、どこを話しているんだろう」
前置きなのか、本題なのか、具体例なのか。それを考えながら聞くだけで、書く量が変わります。具体例は書かなくても、本題さえ押さえていれば思い出せるからです。
3つまとめて練習できます
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